営業スタッフの業務負荷を軽減し、生産性の高い業務に集中できる環境を実現(他社に学ぶ DXの歩き方コラム サービス業編第3回)
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目次
パッケージソフトを開発・販売するF社における、営業組織・活動のDX推進事例をご紹介します。
DX推進に取り組む背景と目的
F社では、営業組織・活動において、以下のような問題を抱えていました。
- 日報や週報、案件管理、受注実績等、営業スタッフが入力すべき情報が多く手間がかかる
- 日報や週報はメール、案件管理はExcelおよび、SFA、受注実績は販売管理システムと複数のシステム・ツールで管理していたが、それぞれのシステム・ツールが連携しておらず、同じ情報を複数回入力する等、ムダが多かった
- 営業スタッフは定時後に日報や案件情報を入力したり、休日に週報を作成したりするなど、残業が常態化していた
- 日報や週報、案件管理から得られる営業状況に関する情報が薄く、営業責任者は都度スタッフにヒアリングをする等、案件毎の活動状況を把握するのに手間がかかっていた
上記問題を解決するため、営業業務の効率化に取り組む事にしました。
特に、日報、週報、案件管理情報の入力といった事務作業の負担軽減をコンセプトにDX推進に取り組みました。
DX推進の目標
営業業務のDX推進にあたり、「営業スタッフの残業時間を20%削減する事」を目標として設定しました。
併せて、以下のような効果も狙いました。
- 事務作業の負荷軽減
- 営業状況を把握しやすくする(営業機会ロスの削減)
- 営業アプローチ頻度、回数を増やす
DX推進への取り組み
DX推進にあたり、まず、以下の内容を含む企画・計画を策定しました。
- 営業に関わる業務全般のDX推進範囲、シナリオ
- 目的、目標達成に向けた改善策
- システム・ツール導入含めた改善スケジュール
上記のような企画・計画を策定した上で営業業務のDX推進に取り組みました。
取り組みのポイントは以下の通りです。
- 情報入力画面の簡素化と多重入力の削減
営業に関わる情報は日々の活動から得られるため、まず、日報の入力項目を最低限必要なもののみに整理し、できるだけ選択式で入力できるようにしました。
その上でスマートフォンでも簡単に入力できるような画面を作成し、情報入力にかかる負荷を軽減しました。
また、日報で入力した内容を週報や、案件管理でも再入力せずに流用できるようデータを連携するようにしました。 - 案件状況の一元管理
改善前、営業責任者はSFAシステムで案件の大まかな営業状況を確認し、気になる案件があれば、その案件の担当スタッフの日報や週報を確認していました。しかしながら、日報や週報は情報が詳しく記載されておらず、担当スタッフに直接ヒアリングする必要がありました。
今回、日報から得られた情報を顧客毎案件単位でタスクを管理し、営業プロセス毎に状況を把握しやすくなる様に情報連携しました。
DX推進による効果
営業業務のDX推進により、以下のような効果が得られました。
- 営業スタッフの残業時間削減
改善前は日報を1日の活動終了後に入力するスタッフが多く、残業が発生する要因の1つになっていましたが、日報を選択式で簡単に入力できるようにしたことで、顧客対応後すぐにPCやスマートフォンで入力するスタッフが増え、改善から1ヶ月で残業時間を15%程度削減する事ができました。
また、休日の事務作業についてはほぼ無くなりました。 - 営業機会の増加
営業スタッフの事務作業にかかっていた手間や時間が削減されたことで、顧客対応に割ける時間が増え、改善前は営業スタッフ1人あたり1日2.5件だった顧客対応件数が3件に増加しました。 - 営業機会ロスの削減
営業責任者が日々の案件毎の営業状況を把握しやすくなったため、スムーズにスタッフへの指示・アドバイスができるようになり、営業機会ロスの削減に繋がっています。
今回導入・活用したサービス
- 日報・週報:Microsoft Power Apps、オリジナルシステム
- SFA:Freshsales Suite
「DX推進」に関しましては、ディーアイエスサービス&ソリューションまでお気軽にお問い合わせください。
本コラムは2022年1月現在の情報を基に作成しています。