DXコラム

受注処理業務のDX化による業務変革&オンライン受注の実現(他社に学ぶ DXの歩き方コラム サービス業編第4回)

金属部品メーカーのG社における「受注処理業務」のDX推進事例をご紹介します。


1.DX推進に取り組む背景と目的

G社では、日本全国の工務店や建設会社向けに金属部品を販売していました。1日当たり数百件の注文を受けていましたが、ほとんどの注文をFAXで受け付けている状況で、日々の受注処理に相当な人員と労力をかけており、以下のような問題が発生していました。

  • FAXの文字が読み取り難く、顧客に電話で確認する等、手間がかかっていた。
  • 注文書に記載された商品および、数量を受注システムに入力する際、入力ミスが発生しても気付かず、誤出荷が頻発していた。
  • 誤出荷を防止するため、注文書、入力内容のダブルチェックを行うなど、受注処理にかかる手間が増大していた。
  • 特注品については、顧客毎に要件・仕様が変わるため、主にベテランスタッフが対応していた。(業務の属人化)
  • 長年の慣習から抜け出せず、非効率なFAXでの注文受付から脱却することができていなかった。

上記問題を解決するため、受注処理業務の効率化に取り組む事にしました。

受注処理業務の効率化を目指し、過去、FAX-OCRの導入を検討し、トライアルも実施しましたが、期待した効果が得られず断念していました。
そのため、今回は、FAXの受信業務を削減するためにスマートフォンを活用した注文方法の改善含め、受注業務全体のDX推進に取り組みました。


2.DX推進の目標

受注業務のDX推進にあたり以下を目標として設定しました。

  • FAXでの注文受付数を10%以下に削減する。
  • 受注処理に関わるスタッフの残業時間を50%以上削減する。

また併せて、以下のような効果も狙いました。

  • 誤出荷を削減する。
  • 特注品の受注処理をベテランスタッフ以外でもできるようにする。

3.DX推進への取り組み

DX推進にあたり、まず、以下の内容を含む企画・計画を策定しました。

  • 受注処理に関わる業務全般のDX推進範囲と段階的な導入シナリオ
  • 目的、目標達成に向けた改善策。
  • システム導入含めた改善スケジュール。

上記のような企画・計画を策定した上で、受注処理業務のDX推進に取り組みました。
取り組みのポイントは以下の通りです。

  1. オンラインオーダーシステムの導入
    仕様の決まった標準品はもちろん、標準品をもとにカスタマイズする特注品についても、オンラインで顧客が対話形式で要件や仕様を入力し発注ができるシステムを構築しました。

  2. 注文数の多い顧客からFAX以外の注文方法への移行を依頼
    オンラインオーダーシステム公開後もFAXでの注文が多い顧客に対し、オンラインオーダーシステムの利便性や利用方法を説明し、利用を促しました。
    それでもオンラインオーダーシステムの利用が難しい顧客には、FAX利用の終了期限を説明し、以降スマートフォン活用の依頼を行いました。

  3. 特注品のオンラインオーダーシステムの構築
    特注品については、顧客の要件・仕様を満たす製品を提案する必要があるため、知識・経験の豊富なベテランスタッフが対応しており、システム化が難しいと考えられていました。しかしながら、特注品の受注業務を調査したところ、標準品をもとに寸法等をカスタマイズする特注品についてはベテランスタッフの業務フローを分析したところ条件選択でオーダー可能な事が判明しました。そこで、対話形式で条件を選択できるように「Microsoft Power Apps」でフォームを作成し、まずは、一部の特注品をオンラインオーダーシステムで注文できるようにしました。

4.DX推進による効果

受注処理業務のDX推進により、設定した目的を達成しました。

  • FAXによる注文受付数の激減
    オンラインオーダーシステム導入から6か月でFAXでの注文受付数を10%以下に削減することができました。
    また顧客へのオンラインオーダーシステム利用促進は継続して実施しており、FAXでの注文受付数は減少傾向にあります。

  • 残業時間の削減
    FAXでの注文受付数が減少したことで、受注処理に関わるスタッフの残業時間を50%以上削減することができました。

  • 若手営業スタッフの成果向上
    製品知識が乏しく、経験の浅い営業スタッフは、顧客の要望に合う製品を提案することが難しく、ベテランスタッフに相談するなど、提案までに時間がかかっていましたが、営業時にその場でオンラインオーダーシステムを活用して顧客の要望する製品を検索することができるようになり、営業効率が向上し、成果を上げ易くなりました。

今回導入・活用したサービス

  • オンラインオーダーシステム:オーダーメイド
  • CX:Microsoft Power Apps
  • Iaas:Microsoft Azure

「DX推進」に関しましては、ディーアイエスサービス&ソリューションまでお気軽にお問い合わせください。

本コラムは2022年2月現在の情報を基に作成しています。


「他社に学ぶ DXの歩き方コラム」サービス業編一覧
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第2回:報告のための営業実績管理から、成果向上のための営業実績管理へ
第3回:営業スタッフの業務負荷を軽減し、生産性の高い業務に集中できる環境を実現
第5回:営業の業務を変えずに顧客管理を実現したDXとは
第6回:営業状況の見える化によるデータドリブン経営への取り組み
「他社に学ぶ DXの歩き方コラム」製造業編一覧
第1回:業務・経営データ収集の迅速化による真のデータ経営の実現
第2回:見積・提案業務のスピードアップによる営業機会ロスの削減
第3回:生産計画作成業務の自動化・標準化による属人化の解消
第4回:在庫管理のDX化によるオムニチャネルの実現
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