Power Apps でテキストラベルを使ってみよう(三島 正裕の Microsoft Power Platform 業務効率化コラム 第3回)
目次
はじめに
クラウドビジネス担当の三島です。Microsoft Power Platform コラムということで業務改善やDX推進のヒントになる話題を皆様にお届けしたいと思います。
Power Apps の機能を使うと、自動で Excelテーブルをスマホアプリにすることができるのですが、表示内容や項目の位置が、イメージ通りに作成されていない場合があります。そこで今回は、自動作成された Power Apps アプリをベースに一覧画面に表示されているテキストラベルの修正方法を解説したいと思います。
テキストラベルを修正する
テキストラベルは[+挿入]から追加できる
このタイトルは”テキストラベル”と呼ばれるコントロールで表示しています。これはアプリの[+挿入]を開いた中にある、ディスプレイから画面に追加をすることができるコントロールです。メニューからコントロールを選択すると、マウス操作でアプリ画面の好きな場所に置くことができます。
プロパティの内容を確認する
“Gyomu”のテキストラベルをマウスで選択してみてください。画面上にある入力フォームに”Gyomu”と表示されたことがわかると思います。これはテキストラベルのプロパティにセットされている値です。
プロパティはコントロールごとに様々なものが用意されています。入力フォームの左に”Text”と書かれている選択肢が見えます。この選択肢を開くと、用意されているプロパティの一覧を見ることができます。沢山のプロパティがあることがわかりますが、この内、”Text”と呼ばれるプロパティは画面に表示する文字をセットするところです。文字の場合はダブルコーテーションで囲い、数値の場合は囲わずにセットします。
試しに、”Gyomu”の箇所を”業務報告アプリ”と修正をしてみましょう。アプリのタイトルも”業務報告アプリ”と表示されるはずです。画面のテキストラベルをダブルクリックすることで、直接テキストを編集することもできます。
アプリを作成した時点ではテキストラベルには”Gyomu”と表示されていますが、この”Gyomu”というのは、このアプリを作成する際に選択したテーブル名です。Excelテーブルの名前が”業務報告アプリ”であれば、アプリが作成された時点で”業務報告アプリ”と設定されます。
一覧の内容を修正する
一覧の内容も修正してみましょう。一覧には、上司コメントと報告内容、担当者が表示されていますが、更に日時と顧客名を追加してみます。
さて、テキストラベルを画面に追加する際に、ひとつ注意をしておきたいことがあります。それはテキストラベルを置く場所です。開発画面の左にあるツリービューを見ると、様々なコントロールを確認することができます。コントロールは全て並列に並んでいるわけではなく、いくつか階層があることがわかると思います。
”BrowseScreen1”というのが一覧画面のことです。この中に”BrowseGallery1”という一覧表示をするためのギャラリーがあり、その中にテキストラベルなどのコントロールがあります。ギャラリーの中に置かれたコントロールは、データの数だけ複製されて、一覧表示されます。今回追加するテキストラベルは、このギャラリーの中に追加します。
それではギャラリーにテキストラベルを追加します。ギャラリーの中にテキストラベルを追加するのに簡単な方法は、ギャラリーの中のコントロールをどれか選択した状態で、挿入をすることです。ここでは、一番上にある”Rectangle1”という四角形を表示するコントロールを選択した状態で、[+挿入]からテキストラベルを追加してみましょう。
すると、ギャラリーの中にテキストラベルが追加され、データ毎にもテキストラベルが表示されたことがわかると思います。
テキストラベルの表示内容を変更する
テキストラベルの表示内容を修正してみたいと思います。テキストラベルを選択すると、Textプロパティには”ThisItem.目的”とセットされているのがわかります。”ThisItem”というのは、このギャラリーに紐づいているテーブルデータを表しますので、”.”(ドッド)の後ろの列名を変更すると、表示する列名を変更することができます。試しに”目的”の部分を”日時”に変更をしてみてください。テキストラベルに表示される内容が”日時”に置き換わるはずです。
テキストラベルは、文字の大きさや太さ、色の変更ができます。マウス操作で位置も変更することができます。下図はテキストラベルの修正例ですが、同じように色や位置を修正してみてください。
下図はテキストラベルをギャラリーの外に置いている例ですが、ギャラリーのデータに紐づいていないことがわかると思います。コントロールを追加する際は、アプリ画面だけでなく、ツリービューで、どこに置いたのかを確認するよう、気を付けておくと、スムーズな開発ができると思います。
如何でしたでしょうか。次回は一覧画面の並び順や検索フォームの使い方についても解説したいと思います。Power Platform に関しましては、お気軽にディーアイエスサービス&ソリューションにお問い合わせください。それではお楽しみに。
筆者プロフィール
ディーアイエスサービス&ソリューション株式会社
クラウドサービス 担当 三島 正裕(みしま まさひろ)
2002年入社。島根県出身。
Microsoft 365 に関する製品導入や初学者向けの教育支援を担当。Power Platform を中心に教育コンテンツの開発やサービス企画をする傍ら、社内向けの業務アプリ開発にも取り組んでいる。
本コラムは2023年9月現在の情報を基に作成しています。
三島 正裕の Microsoft Power Platform 業務効率化コラム
- 第1回:ローコード開発ツール Power Apps に触れてみよう
- 第2回:Excelで作成している業務報告書をスマホアプリにするには
- 第4回:Power Apps のデータの並び替えと検索機能について
- 第5回:Power Apps のフォームコントロールについて
- 第6回:Power Appsの 一覧・詳細・編集作成画面について
- 第7回:Power Apps の編集フォームにユーザー情報を表示する
- 第8回:Power Apps アプリにドロップダウンで選択肢を追加する
- 第9回:Power Apps アプリで更新通知をメールする
- 第10回:Power Apps アプリの保存と共有について
- 第11回:Power Apps でタイムカードアプリを作成する① SharePointリストの作成方法について
- 第12回:Power Apps でタイムカードアプリを作成する② Power Apps アプリの作成方法について
- 第13回:Power Automate で設定した時間にアラートメールを送信する
- 第14回:Power Automate でアダプティブカードを使用した残業申請フローを作成する