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【セミナーレポート】「Microsoft Azure Files」・「Azure File Sync」・「Wasabi Cloud NAS」活用お客様限定セミナー

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2023年9月8日、サイバー攻撃対策や災害に備えての事業継続計画(BCP)の一環として近年ニーズが増えているファイルサーバーのクラウド化について、Microsoft 社の「Azure Files」・「Azure File Sync」、もうひとつの選択肢として「Wasabi Cloud NAS(WCN)」をご紹介するお客様限定セミナーを開催しました。お蔭様でたくさんのお申し込みをいただき、急遽定員を増枠しての開催となりました。ご参加いただきまして誠に有難うございました。本記事はセミナーレポートです。本セミナーの動画配信はいたしませんので詳しい情報をお知りになりたい方はフォームよりお気軽にお問い合わせください。


【講演1】オンプレサーバーとクラウドストレージの良いとこ取り「Azure File Sync」のご紹介

ファイルサーバーの4つの課題

バックアップのためにファイルサーバーのニーズは高まっていますが、ファイルサーバーには、

Mr.Nakamura2

株式会社ユニックシステムズ
代表取締役社長 中村邦久氏

  1. 可用性の確保
  2. サーバー容量の枯渇
  3. 運用負荷
  4. バックアップ

の4つの課題があると考えられます。これらの課題は、クラウドストレージで解決できます。しかし、実際の運用にそぐわなければ意味が無い、というご意見があるのは勿論だと思います。そこで、まずはクラウドストレージの課題から確認していきましょう。


クラウドストレージの課題

  1. アクセス速度
    • 社内ネットワークほど安定せず、大容量ファイルを使う環境では待ち時間が増えてしまうこともある。

  2. アクセス方法
    • UNCパス(例:¥¥server01¥profect )が使えない。マクロや業務フローシステムなどが使えない可能性がある。クライアントとサーバーのデータをファイル同期ツールで同期化する場合は注意が必要。

  3. ネットワーク環境
    • ファイルアクセスはインターネット経由なので、帯域の使用率が高くなり、インターネットトラフィックが逼迫する可能性がある。

  4. コスト
    • 例えば、Microsoft SharePoint の場合、基本容量は1TB+(ユーザー数×10GB)。すべてを保存するために1GBあたり月額25円(※)ほどの追加容量(Extra Storage)を購入する必要がある。また、ファイルの使用頻度に関わらず、容量分を追加購入する必要がある。

※2023年8月現在

オンプレサーバーとクラウドストレージの良いとこ取りをして、これらの課題を解決するのが、「Azure File Sync」です。


「Azure File Sync」とは

「Azure File Sync」は、使い慣れたファイルサーバーをクラウドのメリットを活かして構築できるソリューションです。

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「Azure File Sync」の4つのポイントをご紹介いたします。


「Azure File Sync」の4つのポイント

  1. HOTなファイルは手元で運用
    • 一般的なファイルサーバーは、アクセス頻度の高低にかかわらず全てのファイルをオンプレミス環境に保存するので、ディスク使用量が増えていってしまいます。「Azure File Sync」は、アクセス頻度の高い(HOTな)ファイルはオンプレミスとAzure の両方に保存し、アクセス頻度の低いファイルはAzure だけに保存するようにします(クラウドの階層化)。ちょうど、私たちがデータをパソコン(ローカル)に保存するか、OneDrive に保存するかの使い分けをするようなイメージです。

  2. 拠点データも集約
    • 「Azure File Sync」のサーバーを各拠点に配置すれば、上記1.でご説明した仕組みを複数拠点でも適用できるのでデータの集約が可能です。例えば、本社ではアクセス頻度の低いファイルであっても、支店でアクセス頻度が高いファイルは支店ではローカルに保存されます(マルチサイトアクセスと同期)。

  3. 壊れたら、代替機をセットアップ
    • もしオンプレミスサーバーに障害が発生しても、ファイルはすべてAzure 上に保存されているので、新しいオンプレミスサーバーに「Azure File Sync」をセットアップするだけで復旧可能です。これはシステム管理者の心労を軽減できる特長であると思います。

  4. バックアップ対策も万全
    • 「Azure File Sync」は、「Azure Backup」を使用して、一元的なバックアップを簡単に実施できます。バックアップされたデータは、世代を確認しながら、一括でもファイル単位でも復元可能です。

「Azure Files」と「Azure File Sync」

「Azure Files」 と「Azure File Sync」 は製品名が似ているので混同される方が多くいらっしゃいますので、ここで簡単にご説明します。

Azure Files

ホストとなるサーバーが要らない、サーバーレスのクラウドファイル共有システム。



Azure File Sync

オンプレミスやクラウド上の Windows Server を Azure Files と同期化し、高速キャッシュに変身させてAzure Files を活用してファイルサーバーを一元化するためのサービス。


「Azure File Sync」は安全なの?

それぞれのレイヤーで安全に暗号化されますので安心です。

レイヤー安全対策
Azure ファイル共有のデータAzure Storage Service Encryption(SSE)
Azure File Sync エージェント と Azure 間HTTPS:port 443
(Azure File Sync REST and FileREST)
Windows Server のストレージ保存時BitLocker

NFSファイル共有は暗号化メカニズムをサポートしていないため、NFSプロトコルを使用してAzure ファイル共有にアクセスするには、暗号化を行わない通信が必要となります。


「Azure File Sync」の注意点

このように、便利な「Azure File Sync」ですが、下記2つの注意点があります。

注意点1. Azure File Sync エージェントの稼働にはある程度のマシンスペックが必要

①同期対象数
(ファイルとフォルダ)
単位:百万
一般的な容量
(①×512KiB)
単位:TiB
CPUコア数推奨されるメモリ
(初期同期時/通常チャーン時※)
単位:GiB
31.428 / 2
52.3216 / 4
104.7432 / 8
3014.0848 / 16
5023.31664/ 32
10046.632128 / 32

※チャーン(churn):CPUの回転(=演算)の意味。通常チャーンは、1日あたりの名前空間の0.5%の変化を想定。これより変化が多い場合は上位のスペックを検討する必要あり

注意点2.ストレージ容量の他、データ転送量が必要

Azure からオンプレミスへのデータ転送には料金が発生します。

参考:「Azure File Sync のデプロイの計画」
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/file-sync/file-sync-planning


「Azure File Sync」はオンプレサーバーとクラウドストレージの良いとこ取りなのか?

それでは、本講演のタイトルにあります通り「Azure File Sync」はオンプレサーバーとクラウドストレージの良いとこ取りなのか?についてマトリクス表にまとめました。大枠で”良いとこ取り”になっていることがお分かりいただけるかと思います。

項目ファイルサーバークラウドストレージAzure File Sync
可用性の確保
サーバー容量の枯渇対応
アクセス方法
アクセス速度
運用負荷
バックアップ
コスト

そして、一番下の行にある「コスト」についてご説明いたします。「Azure File Sync」は利用用途に応じて

  1. Premium
  2. トランザクション最適化
  3. ホット
  4. クール

の4つの「ストレージレベル」が用意されていて、それぞれ単価が異なります。お見積のご依頼や詳細情報につきましては、ディーアイエスサービス&ソリューションまでお気軽にお問い合わせください。


【講演2】もうひとつの選択肢、「Wasabi Cloud NAS」のご紹介

「WASABI Hot Cloud Storage」とは?

Amazon S3と互換性があり、データの書き込み・読み込みを速く、低価格で、無制限にご利用いただける大容量クラウドストレージサービスです。詳細は「Wasabi Hot Cloud Storage」製品ページ もご覧ください。

mr.Ataku

ディーアイエスサービス&ソリューション株式会社
ソリューション本部 東京営業部 営業1課 係長 安宅 輝


「Wasabi Cloud NAS(WCN)」とは?

「Wasabi Cloud NAS」は、Windows ファイルサーバーと「Wasabi」の間でレプリケーションを行い、コールドデータは「Wasabi」にオフロード(自動階層化)することで、ファイルサーバーの容量を解放・確保できるハイブリッドなNASです。

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「Wasabi Cloud NAS」運用イメージ

Windows サーバーに「Wasabi Cloud NAS エージェント」をインストールして利用します。「Wasabi Cloud NAS エージェント」のインストール台数と使用可能な「Wasabi リージョン」に制限はありません。

①レプリケーション

Windows サーバーのファイルコピーを「Wasabi」に転送。オンプレミスサーバーとクラウドでデータの同期ができる。

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②クラウド自動階層化

Windows サーバー上で一定期間アクセスが無いファイルをスタブ化(※)。オンプレミスサーバーのディスク容量を空けて有効活用ができる。

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※スタブ化 とは

/実データをクラウド上に保管して、管理データ(メタデータ)のみをサーバーに残すことによりデータの使用量を削減する仕組み。スタブ(stubb):(チケットなどの)半券の意味


「Wasabi Cloud NAS」の5つの強み

  1. 容量単価が安い
    • 価格詳細についてはお問い合わせください

  2. 定額料金で使える
    • 従量課金の要素が無く予算化しやすい

  3. データ転送量・APIリクエストが無料
    • Wasabi からオンプレミスへのダウンロード費用がかからない

  4. 「Wasabi Cloud NAS エージェント」台数とリージョン数に制限無し
    • 1つの料金プランで複数拠点の Windows ファイルサーバーに導入できる

  5. Windows ファイルサーバーの Windows ACL が引き
    • 簡単な設定で既存のアクセス権がそのまま使える

「Wasabi Cloud NAS」のシステム要件

エージェントは下記の最小システム要件を満たす必要があります。

  • 64bit Microsoft Windows🄬 7 / Server 2008 R2 / Windows🄬 8 / Server 2012 / Server 2012 R2 / Windows🄬 10 / Windows Server 2016 / Windows Server 2019 以降のバージョンをサポート。
  • 4GB以上の物理RAM インストール用に68MB以上のハードディスク空き容量

ディーアイエスサービス&ソリューションでは、「Wasabi Cloud NAS 導入支援メニュー」をご用意していますのでご相談ください。また、「Wasabi Hot Cloud Storage」の30日間無料トライアルもご用意していますので興味のある方はお気軽にお問い合わせください。


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