DXコラム

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Excelで作成している業務報告書をスマホアプリにするには(三島 正裕の Microsoft Power Platform 業務効率化コラム 第2回)

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はじめに

クラウドビジネス担当の三島です。Microsoft Power Platform コラムということで業務改善やDX推進のヒントになる話題を皆様にお届けしたいと思います。

普段仕事で作成している業務報告書には様々なものがありますが、何度も繰り返し行う報告業務は簡単であって欲しいですよね。電車やバスで移動している最中や、仕事の合間の待ち時間等、ちょっとした隙間時間に記録も報告もできる業務報告アプリがあると、とても便利だと思います。

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今回は、Microsoft365 のローコード開発ツール Power Apps を使って、Excel で運用している業務報告書をスマホアプリにしてみたいと思います。


ライセンスについて

当コラムの内容を試されたい方は、Microsoft 365 の下記ライセンスが必要です。

  • Microsoft 365 Business Basic
  • Microsoft 365 Business Standard
  • Microsoft 365 Business Premium
  • Microsoft Enterprise E1, E3, E5

もし、ライセンスをお持ちでない場合でも、Microsoftから提供されている開発者プログラムに参加をすることでお試しいただけます。

Microsoft 365 開発者プログラム
https://learn.microsoft.com/ja-jp/office/developer-program/microsoft-365-developer-program


データの保存場所を作成する

さて、Excelで作成されている業務報告書にも様々なタイプがありますが、スマホアプリのデータを保存するためには、テーブルと呼ばれる形式で保存されている必要があります。
テーブルとは列ごとに書式が定まっていて、行単位に1件のデータを管理します。テーブルには名前があり、アプリからアクセスする際にはテーブル名を指定してデータを呼び出します。

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もし、普段使用している業務報告書が、項目ごとにレイアウトが整えられたシートである場合はテーブル形式に作り直す必要があります。その場合は、入力項目に何があるか、まずは項目名を書き出してみて下さい。日時や担当者などの項目があるはずです。

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項目名を書き並べる

これを新規に作成したExcelシートの1行目に書き並べていきます。

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「テーブルとして書式設定」を選択

1行目に記入した項目を全て選択した状態で、ホームにある「テーブルとして書式設定」を選択します。

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選択範囲をテーブルにする

表示されるポップアップからテーブルの色を選択して、続いて表示されるポップアップでは、「先頭行~」のチェックボックスにチェックが入った状態で「OK」を押します。

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これで選択した範囲はテーブルとなりました。

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日付や数値列の書式設定をする

Excelテーブルを作成した時点では、全ての列はテキストとして保存されます。日付や数値で保存をしたい場合は、列を選択した状態で[セルの書式設定]を開き、日付や時刻、数値として設定保存をしてください。

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テーブル名を設定する

テーブル名を設定すればExcelテーブルの作成は完了です。画面左上にあるテーブル名の入力フォームにテーブル名を入力して保存します。サンプルではテーブル名を[Gyomu]と設定しています。

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Excelファイルをクラウド上に置く

ExcelファイルはローカルのPCに保存をしただけではスマートフォンからアクセスをすることは出来ません。Excelファイルをクラウド上に置くことで、アクセスすることが出来るようになります。ここでは同じ Microsoft 365 の OneDrive に Excelファイルを置いてみます。場所はどこでも問題ありませんが、Power Apps アプリ用のフォルダを作成し、更にアプリごとにExcelファイルを置くフォルダを分けておくと管理がしやすくなるはずです。

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Excelテーブルを Power Apps でアプリにする

いよいよ作成したExcelファイルをPower Apps でアプリにしてみたいと思います。Power Apps はMicrosoft 365 のホームから起動をすることができます。

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左メニューから[+作成]を選択し、続いて[Excel]を選択します。

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[+新しい接続]を選択する

接続画面から[+新しい接続]を選び、[OneDrive for Business]を選択、[作成]を押します。

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サインイン画面が表示されるので、アカウントを選択してサインインをします。
接続確認画面が表示されますので、許可[Allow Access]を選択します。

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アップロードしたExcelファイルを選択する

接続画面にExcelファイルの選択画面が表示されますので、アップロードしたExcelファイルを選択します。続いてテーブルを選択して、[接続]ボタンを押します。

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アプリが自動作成される

アプリの自動作成がはじまります。数十秒で、Excelテーブルを基にアプリが作成されます。

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完成すると、このような画面が表示されます。右上の▷ボタンでアプリをプレビュー実行することが出来ますので、早速実行してみましょう。

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[+]ボタンで、Excelテーブルにデータを書き込むための入力フォームが表示されます。
入力フォームに値を入力し、右上のチェックボタンを押すと、Excelテーブルにデータを登録することができます。書式設定で[時刻]で設定した日付項目はカレンダーやドロップダウンから入力ができるようになっています。

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保存をすると、最初の画面に入力内容が反映されているのがわかると思います。

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OneDriveに保存をしたExcelも見て見ましょう。アプリから入力した内容が反映されているはずです。

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アプリを保存する

最後に右上のディスクボタンを押して、アプリを保存します。アプリ名を入力して[保存]を押すとクラウド上にアプリが保存されます。保存したアプリはPower Apps のホームから呼び出すことができます。

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スマートフォンから入力をするには、専用のアプリをダウンロードする必要があります。App Store や Google Play から Power Apps アプリがダウンロードすることができます。作成したアプリがスマートフォンから実行出来るか、ぜひ試してみて下さい。

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さいごに

今回はExcelテーブルを Power Apps でアプリにする方法を解説しましたが、実際に業務で運用をするためには、もう少し設定を加える必要があります。次回のコラムから、自動作成アプリのカスタマイズ方法について、少しずつ解説していきたいと思います。
Power Platform に関しましては、お気軽にディーアイエスサービス&ソリューションにお問い合わせください。


筆者プロフィール

mmishima

ディーアイエスサービス&ソリューション株式会社
クラウドサービス 担当 三島 正裕(みしま まさひろ)

2002年入社。島根県出身。​
Microsoft 365 に関する製品導入や初学者向けの教育支援を担当。Power Platform を中心に教育コンテンツの開発やサービス企画をする傍ら、社内向けの業務アプリ開発にも取り組んでいる。

本コラムは2023年9月現在の情報を基に作成しています。

本コラムは2023年9月現在の情報を基に作成しています。


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