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Power Automate で設定した時間にアラートメールを送信する(三島 正裕の Microsoft Power Platform 業務効率化コラム 第13回)

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はじめに

Microsoft 365 を担当させていただいている三島です。今回も業務改善やDX推進のヒントになる話題を皆様にお届けしたいと思います。

今回はPower Automate を使用して、設定をした時間にアラートメールを送信する簡単なフローを作成してみます。定期的な作業を忘れないようにしたり、注意喚起をしたりするときにリマインドメールを設定しておくことがあると思いますが、Microsoft 365 のPower Automate を使用すれば、設定した日時がきたタイミングで自動的にメール送信をすることができます。とても簡単に設定ができますので、初学者の方もぜひトライをしてみてくださいね。


さて、今回使用するPower Automate は、Microsoft 365 の製品のひとつです。
当コラムの内容を試してみたい方は、下記ライセンスが必要となります。

  • Microsoft 365 Business Basic
  • Microsoft 365 Business Standard
  • Microsoft 365 Business Premium
  • Microsoft Enterprise E1, E3, E5

もし、ライセンスをお持ちでない場合でも、Microsoftから提供されている開発者プログラムに参加をすることで、お試しいただけますので、下記サイトを参考に手続きをしてみてください。

Microsoft 365 のライセンス購入に関してご不明な点がございましたら、ディーアイエスサービス&ソリューションまで気軽にご相談ください


Power Automateとは

Power Automateはローコードで業務プロセスを自動化する「フロー」を作成することができるツールです。用意されているコネクタを使用して、様々なデータやサービスに接続し、トリガー/アクションを起こすことができます。例えば、「設定した時刻になった」、「会議資料がフォルダにアップされた」、「ボタンが押された」などをトリガーに、「メンバーにメール送信」、「メンバーにアラート通知」、「データ更新」といったアクションを起こすことができます。

また、用意されているトリガーやアクションを繋げて一連の処理にしたものを「フロー」と呼びます。ひとつのフローにつき、トリガーはひとつですが、アクションは、いくつも繋げることができます。途中で条件分岐をさせたり、並列処理をさせたりすることもできます。

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今回作成するフロー

今回作成するフローでは、「設定した時間になったこと」をトリガーに、「Outlookでメール送信をする」アクションを組み合わせてみたいと思います。


フローの作成

フローを作成するには、Microsoft 365のホームより、Power Automate を起動します。

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Power Automate のホーム画面が開きます。「+作成」を選択すると、いくつかのフローが画面に表示されます。今回は「指定した日時」で「メール送信する」フローを作成しますので、「スケジュール済みクラウドフロー」を選択します。

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フローの作成メニューが表示されます。フロー名は自由に設定ができます。開始日は、フローが有効になる日時ですので、すぐに使用するのであれば、過去日であればいつでも問題ありません。繰り返し間隔は、「秒」から「数カ月」間隔まで自由に設定することができます。今回は毎日実行しますので、「日」を選択します、最後に「作成」ボタンを押すとフローが作成されます。

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フローが作成されると、トリガーのパラメータが画面左に表示されます。ここでは、フローを実行するタイミングを設定します。トリガーの間隔は設定されていますので、タイムゾーンから設定をします。場所が日本であれば、タイムゾーンは「UTC+09:00 Osaka, Sapporo, Tokyo」を選択します。タイムゾーンを変更すると開始日も変わってしまいますので、必ず確認をして、適切な時間を設定してください。 フローの実行時間も設定します。下図の例では17時30分に送信するように設定しています。メニューの一番下にはプレビューが表示されています。設定した内容が表示されていますので、間違いがないかを確認します。今回の設定では「設定時刻 17:30 every day に実行」と表示されていればOKです。

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メールを送信するアクションを追加してみましょう。Recurrenceトリガーの下に「+」ボタンがあるので選択をして、「アクションの追加」を表示、選択をします。「アクションの追加」メニューが表示されますので、検索フォームから「Outlook」を検索します。Outlookのアクションが表示されますので、「メールの送信(V2)」を選択します。
接続の作成画面が表示されますので、サインインをします。サインイン画面は初めてOutlookコネクタを使用する際に表示されますので、表示されたら、サインインをするアカウントを選択してください。選択肢に無い場合は新たに入力します。

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送信するメールの内容を設定します。宛先にはメールの送信先を設定します。宛先には共有メールボックスも設定することができます。宛先が複数ある場合は、セミコロンで区切って登録をします。後は、メールの件名、本文を入力すれば、Outlookのアクションの設定は完了です。

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フローの設定ができたらテストしてみます。Power Automate のフロー開発画面の右上にある「保存」ボタンでフローを保存することができます。もしここでエラーが出るようでしたら、設定に誤りがありますので、内容を確認して修正をしてください。保存が正常に完了すると「テスト」ボタンを押します。

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フローのテストメニューでは、ラジオボタンが「手動」の状態にあることを確認して、「テスト」を選択します。「フローの実行」を選択すると、業務日報入力のアラートメールが送信されます。正常に送信されたことが確認できたら、フローの実行メニューを「完了」ボタンで終了します。

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フローを実行する「曜日」を指定することもできます。トリガーRecurrenceの設定で、Frequencyの設定を「週」にすると、On These Days からフローを実行したい曜日をチェックボックスから指定することができます。これで、「平日のみ」や「週末だけ」に実行するということも可能になります。設定状況はプレビューから確認をすることができます。

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 Power Automate のフローの作成方法を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。今回はメール通知を自動化してみましたが、アクションを変えれば、Teamsでアラートメッセージを送信したり、データベースにデータを追加したりといったことも簡単に設定することができます。Power Platform では非常にたくさんのアクションが用意されていますので、ぜひ色々と試してみてください。

それでは次回もお楽しみに。


筆者プロフィール

mmishima

ディーアイエスサービス&ソリューション株式会社
クラウドサービス 担当 三島 正裕(みしま まさひろ)

2002年入社。島根県出身。​
Microsoft 365 に関する製品導入や初学者向けの教育支援を担当。Power Platform を中心に教育コンテンツの開発やサービス企画をする傍ら、社内向けの業務アプリ開発にも取り組んでいる。

本コラムは2024年3月現在の情報を基に作成しています。


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