「Nutanix」劇的にシンプル化・自動化されたHCI(ハイパーコンバージド インフラストラクチャ)

「Nutanix(ニュータニックス)」とは
Nutanix社はHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)の概念を世に広めた世界的なメーカーです。Nutanix社が創業以来一貫して行っている、IT環境の劇的なシンプル化・自動化・統合・組み込みを実現するために生み出されたものがHCIです。
従来の仮想基盤の多くは
- 物理サーバー
- SANスイッチ(Storage Area Network Switch)
- 共有ストレージ装置
で構成されており「3Tier(スリーティア)」と呼ばれています。この構成には、費用、導入作業/導入スペース、管理、拡張、サポート といった導入前の「リソース予測」が難しい、という課題がありました。「Nutanix」はパブリッククラウドのような劇的にシンプル化・自動化され、統合・組み込みが容易な「小さく始めて大きく育てる」IT基盤を実現し、従来のインフラが抱えていた各種の課題を解決します。
目次
- 「Nutanix」3つの特長
①複雑さの排除
②高い拡張性
③TCOの削減 - 「Nutanix」の基本アーキテクチャ
- 「Nutanix」の分散ストレージ
- AHV概要(機能別の主な比較)
- Prism Pro(有償オプション)
- ファイルサーバー機能「Files」(有償オプション)
- 「Nutanix」はお客様に馴染みのあるハードウェアを選択可能
1.「Nutanix」3つの特長
①複雑さの排除 |
---|
・サーバー ・ストレージ ・仮想化機能を含めたソフトウェア などを1つの筐体で提供。単一の管理画面から1クリックで容易に管理できます。 |
②高い拡張性 |
---|
1~2ノード筐体の最小構成でスタートしてビジネス要件などに合わせて必要な分だけ柔軟に拡張可能。拡張時にシステムの停止は不要で無制限に規模を拡張でき、その対応も1クリックで実現。 |
③TCOの削減 |
---|
従来のインフラの複雑さを排除し、運用管理機能を統合。 さらに無償のハイパーバイザーである「AHV」などを提供することで、最大40%ものTCO削減を可能にします。 |
①複雑さの排除
「Nutanix」は、極めて短期間での検討・構築が可能
従来型の三階層のインテグレーションでは、ストレージ・ネットワーク・サーバーや仮想化を含め、選定から要件定義、設計、構築に通常数か月を要します。「Nutanix」では機器納品後ラッキングから作業を開始できるため短期間での導入が可能です。

- 「Nutanix」の検討・構築作業が早い理由
- 仮想化基盤の構成要件作成には、従来、数週間の時間を要していましたが、Nutanixがパートナーポータルで提供しているサイジングツール「Nutanix Sizer」を利用すると、わずか1日で構成要件をまとめてお客様のワークロードに最適なモデルを選定できます。これにより、ラック搭載図や電源容量まで含む構成部品資料(BOM)も容易に作成できます。
- Nutanix「Foundation(初期設定)サービス」では、パラメータシート情報に基づきハイパーバイザーのインストールやネットワーク設定、Nutanixクラスタ作成などを一括で実施できます。
- さらに弊社の「導入サービス」をご利用いただければ、「パラメータシートの作成」や「現地動作確認」など、お客様の要件に応じてサポートいたします。
マネジメントツール「Prism」によるシンプルで容易な管理
「Prism」は、ブラウザベースで利用可能な、Nutanix環境の「統合管理ツール」です。ダッシュボードでは、クラスタの情報を纏めて確認できます。

- 構成
- ハイパーバイザ、仮想マシンの状態やハードウェア概要を確認
- 性能とリソース
- クラスタのIOPSやレイテンシ、CPUやメモリの使用率が可視化
- 健全性
- クラスタが正常に稼働しているか、Criticalなエラーが出力されていないかがひと目で判り、具体的な症状と解決方法を確認
- アラート
- 重要なアラートが出ていれば、ダッシュボードからたどっていく事で原因が判明
②高い拡張性
成長に応じた拡張が容易に可能
最小構成でスタートし、ノード数に比例して全体性能と容量を拡張できます。
- 1サーバー単位で拡張可能、ストレージ容量拡張専用タイプも選択可能。
- クラスタを拡張する場合、「Prism」からワンクリックでノードをクラスタに追加できる。
- ノードの取り外しも数クリックで完了。

③TCOの削減
従来型の三層構成に比べて少ないラックスペースに収納できるため、ファシリティコスト・ランニングコストを大きく低減。運用・管理面の膨大な人的コスト、ランニングコスト全体を考慮した場合、「Nutanix」を導入することでトータルコストを抑制できます。

2.「Nutanix」の基本アーキテクチャ
「Nutanix」は、マルチプラットフォーム、マルチハイパーバイザーに対応しているHCIです。お客様が慣れ親しんだハードウェアやハイパーバイザーでお使いいただけます。


「CVM(Controller VM)」とは? |
---|
「Nutanix」のHCI機能の多くを司る仮想マシンが「CVM」です。クラスタ内の各ノードに1台ずつ搭載されており、「Acropolis(AOS)」はこの「CVM」で動作します。 他社HCI製品は模倣できないアーキテクチャです。 ・ユーザースペースで動く仮想マシンで提供 ・Acropolis(AOS)の心臓部 ・CVMで動作するソフトウェア = AOS ・パススルーでダイレクトにディスク接続 ・ニュータニックス特許取得済み |
3.「Nutanix」の分散ストレージ
パブリッククラウド由来のアーキテクチャに基づいて、システムを構成するコンポーネントやデータのすべてを分散配置し、協調動作する。「CVM」は仮想マシンのひとつなので、ハイパーバイザーの「カーネル」ではなく、「ユーザースペース」で動作します。そのため、特定のハイパーバイザーに縛られず、マルチハイパーバイザーに対応します。

ストレージに対しては「CVM」が「PCIパススルー」で直接ディスクをマウントします。これは「SDS(ソフトウェア・ディファインド・ストレージ)」の技術を利用しており、各ノードのローカルディスクを束ねています。
I/O最適化 |
---|
・データローカリティ ・ 階層化とキャッシュ ・ 圧縮、重複排除 ・ スナップショットとクローン ・ シャドウクローン |
データ保護 |
---|
・遠隔バックアップ ・ディザスタリカバリ ・クラウドバックアップ ・3rd partyバックアップ連携 ・SED自己暗号化ディスク対応 |
信頼性 |
---|
・データ多重化 ・データ多重度の自動回復 ・Erasure Coding ・データパスの冗長化 ・整合性チェック ・筐体故障の影響回避 |
4.AHV概要(機能別の主な比較)
「AHV」は、Nutanixが開発したハイパーバイザーで、追加ライセンスコスト無しで利用できます。2015年にリリースされた後、継続して機能追加や最適化が行われており、
- 高可用性(HA)
- 仮想マシンのリソース平準化
など仮想基盤として求められる機能が標準で利用できます。

主な用語解説 |
---|
・ADS(Acropolis Dynamic Scheduler):ノードのCPU・メモリ・ストレージのI/O負荷を監視。負荷が高ければ余裕のあるホストへVMを分散して仮想マシンの安定稼働を実現する。 ・Prism:Nutanix環境を統合的に管理するマネージメントツール。Web GUIで構成、性能・リソース、健全性、アラートなどを一目で確認できる。また、各クラスタのアップグレードも「Prism」から実施できる。 ・アフィニティルール:運用中のVMが稼働するホストを常に固定したり、逆にできる限り異なるホストに分散保持したりできるポリシー。ユーザーの運用状況に合わせたルールでVMを保持できる。 ・Open vSwitch:アップリンクのポートをボンディング(束ねて)接続できる。ボンディングのモードは「Active/Active」、「LACP」、「Active/Backup」を選択できる。 |
5.Prism Pro(有償オプション)
「Prism Pro」は、「Prism」に高度な運用管理機能が追加されています。コード不要で、アラートやイベントをトリガーとして複数アクションを順次実行可能です。
CPU、メモリ、ストレージなどのリソースについて、機械学習エンジンを用いた分析を行い、将来的な需要の自動予測が可能になります。これにより、リソース不足に関する早期警告を行い、勘だけを頼りにした推測や無駄を排除し、リソース最適化を実現できます。

対処の自動化によるソリューションの一例
「Prism Pro」は、コード不要でアラートやイベントをトリガーとして複数アクションを順次実行できますので、下記のような複数アクションの自動化が可能。



といった複数のアクションを自動化可能。
6.ファイルサーバー機能「Files」(有償オプション)
「Files」は、「Nutanix」のストレージプールを活用した「NFS」と「CIFS」に対応したNASを作る機能で、「Nutanix」導入企業の4社に1社が採用している人気の機能です。複数ドメイン・異なるネットワークに対してファイル共有を作成します。標準搭載のファイルアクセス履歴・分析機能により、
- ログインユーザーの監査
- キャパシティの推移
などのファイルサーバ監査証跡管理も可能です。

※1TiB(テビバイト)= 240B = 1,024GB
「File Analytics」のダッシュボード
「Files」には、監査証跡ツール「File Analytics」が標準でバンドルされています。ダッシュボードから保存データを可視化でき、誰がいつ、どのファイルにアクセスしたのかという監査証跡を記録できます。また、アクセス権を持っていないユーザがアクセスしようとした履歴も残ります。

保存データに関する情報 |
---|
保存済みのデータとその経時変化について可視化 |
監査証跡 |
---|
簡単な検索とフィルタリング 誰がいつ、どのファイルにアクセスしたのか? |
異常の検出 |
---|
アクセス行為に対する定義と検出 定義した状況を検出するとアラートを発信 |
7.「Nutanix」はお客様に馴染みのあるハードウェアを選択可能です。
Nutanix搭載HCI製品は、Nutanixオリジナルサーバー(NXシリーズ)以外にも、導入実績のある下記ハードウェアベンダーから豊富なラインアップで提供しています。
HPE DXシリーズ → 詳しくはコチラ
HPE ProLiant DXアプライアンスに対して出荷前に事前インストールされたNutanix Enterpise Cloudソフトウェアによって、あらゆる規模のあらゆるワークロードの実行や、プライベートクラウドやハイブリッドクラウドにおける素早いプロビジョニングが可能となります。
Nutanix NXシリーズ
Nutanix NXシリーズはNutanixが提供する純正のHCIです。エントリーからハイエンドまでをカバーするラインナップ、また様々な用途、例えばオールフラッシュ、大容量ストレージ等、に応じて柔軟にカスタマイズすることができます。
Lenovo HXシリーズ
Lenovo ThinkAgile HXシリーズは、信頼性と拡張性に優れたLenovoサーバーに、ハイパーコンバージドインフラ市場のリーダーであるNutanixのソフトウェアを搭載。従来の複雑な仮想化環境をシンプルにし、運用工数を大幅に削減します。
Fujitsu XCシリーズ
安心のMade in Japanによる高い信頼性の「FUJITSU Server PRIMERGY」に、Nutanix社が提供する仮想化ソフトウェア「Nutanix Enterprise Cloud OS 」を搭載したハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)「Nutanix Enterprise Cloud on PRIMERGY」。
Dell EMC XCシリーズ
第14世代Dell EMC PowerEdgeサーバーとNutanixソフトウェアを組み合わせた、ハイパーバイザーを柔軟に選択できるDell EMCのHCIアプライアンスです。バックアップ、クラウド連携、Pass基盤を完全統合したデジタルトランスフォーメーション時代に最適な仮想基盤を提供いたします。
「Nutanix」につきましては、提案・構築経験豊富なディーアイエスサービス&ソリューションにご用命ください。ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。