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Windows Server 2012 / 2012 R2 EOS に向けて(岩原裕樹のクラウド徹底活用コラム 第1回)

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はじめに

2021年10月、ついに「Microsoft Windows 11」がリリースされました。 すでにアップグレードしたという方も、様子を見ている方、または 「Microsoft Windows 11」 インストール済みのPCに買い替えた方など様々いらっしゃるかと思います。一方、企業ではすぐにアップグレードや入れ替えというのは難しいかもしれません。しばらくは現状を維持しつつ、システム部門では評価検証をおこないながら、次期導入するものから徐々に入れ替えていくというパターンが多いのかもしれません。

しかし、しばらく様子を見ようと言っていられない状況にあるのが「Windows Server 2012 / 2012 R2」や「Microsoft SQL Server 2012」をオンプレミスでサーバー運用されている環境です。
「Windows Server 2012 / 2012 R2」は2023年10月10日、「Microsoft SQL Server 2012」は2022年7月12日でサポート終了となってしまうのです。
すでに対策ばっちりという方、まだこれからという方、え?2022年7月ってあと9か月しかないの?と今思った方もいらっしゃると思いますが、今回はその対策方法などをご紹介して参りたいと思います。


現在の稼働台数

ところで実際に現状でどのくらいの台数がサポート終了時点で稼働しているのでしょうか?
マイクロソフト社が公表した調査データによると、「Microsoft SQL Server 2012 / 2012 R2」は4万台以上、「Windows Server 2012」については20万台近い台数がサポート終了時期になっても稼働しているのではないかと言われています。

まだまだ現役で稼働している台数が多いので、今まさにデータセンターで基幹システム用に動いているよ!と、今後の対策に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?


そのまま使える?

そもそも、サポートが終了してしまうとどういう状況になるのか?について以下に挙げさせていただきます。

  • セキュリティ更新プログラムが提供されなくなるため、ウィルス感染や情報漏えいといったリスクが増加します。
  • 周辺機器やドライバーなどもサポート終了となる可能性が高いため、不具合の修正が行われなくなり、問題発生時には最悪のシナリオとして使用を断念せざるを得ないというリスクがあります。
  • 最新のアプリケーションやサービスなどが使えない可能性があるため、ビジネスの前進や展開に影響が出る場合があります。

    こういったリスクを伴うのでサポート終了後もそのまま使い続けるということは、取引先との信用のためにも、自社ビジネスの発展のためにも避けるべきだと思います。


    サポート終了への対策

    そのまま使い続ける事が得策では無いことはわかっているよ、という声もあるかと思います。では、どういった対策が考えられるのでしょうか?大きく分けて下記2点の対策がポイントとなります。

    1. 「Windows Server 2022」、「SQL Server 2019」にアップグレードする
    2. 仮想環境やクラウドサービスへ移行する

    1.に関しては、まぁ最も順当で誰もが検討する対策かと思います。ハードウェアのリースアップや保守期限到来に伴い、新たなハードウェアを新しいバージョンで調達し、データ移行を行われるかと思います。

    2.については、現在様々なベンダーからクラウドサービスが提供されていますが、今回は多くのメリットが存在する「Microsoft Azure への移行」ということで進めさせていただきます。

    さて、ずばりどちらの選択をするのが良いのでしょうか?

    実際に移行先に選ばれている環境に目を向けてみると、どうも「Windows Server 2012 / 2012 R2」や「Microsoft SQL Server 2012」ともに「仮想環境への移行」、「クラウドへの移行」という割合が多いと言われています。
    全体的な割合で見ると今後はオンプレミスから、大きい意味でのクラウド環境でのサーバー運用が増えてくること間違い無し!言っても過言ではないでしょう。

    では、なぜ「クラウドへの移行」が増えているのでしょうか?
    こちらも近年クラウド化が推進されている際によく言われている理由として

    • システムの信頼性の高さ
    • ネットワークの安定性
    • セキュリティ面での安心・信頼感
    • 利用・運用コストの安さ

    といった項目が上位に挙げられます。

    やはり、安定性、セキュリティまたはコストといったサーバー運用の根柢部分でクラウドサービスは評価されていると言えます。逆に言えば、オンプレミス環境でこれらの安定性やセキュリティを維持していくためには、十分な人員と機器が必要となり、また対策のための運用コストも高くなってしまうというデメリットもあります。


    オンプレミスか?クラウドか?

    こうした状況を見てきたうえで、改めて先ほどのアップグレードかクラウド移行かという疑問について考えてみたいと思います。

    これまで見てきた内容ではクラウド利用が多く、これからも増えていく傾向にあると言えます。ではオンプレミスの運用は、時代遅れの ”ダメな運用” なのでしょうか?
    もちろん、そんなことはなく、オンプレミスにも多くのメリットがあります。
    例えば、ハードウェアの構成や使用するアプリケーションなどのカスタマイズ性は非常に高く、コストについても固定費として算定しやすいため、会計上も明快です。十分な人員や設備、対策費用を計上できるようであれば、オンプレミスも十分選択肢になり得ると思います。

    そして、「クラウド環境への移行」では、安定性やセキュリティ面、またコスト的に多くのメリットがあると考えられるため、現在選択されるケースが当然多くなります。これから3年後、5年後といった長期的な目線で考えていけば、やはり「クラウド環境への移行」が望ましいと考えられます。
    特に、昨今の時勢からも、リモート対応やハードウェアの管理などからの解放、固定費ではなく使った分だけの費用を支払うという従量コスト制などメリットは非常に大きいでしょう。

    これらのことから、一般的にメリットの多さや今後のことを考えると、クラウド環境への移行を前提に検討を進めてみるのが宜しいかと思います。

    実際にクラウド移行は、前バージョンの「Windows Server 2008」のサポート終了前から提唱されていましたが、なかなか移行に踏み切れなかったユーザーも多かったことが最初にお伝えした調査データからも読み取れます。
    しかし、クラウド環境は日進月歩で進化をし続け、当時より格段に扱いやすくなってきており、サービスも充実してきました。マイクロソフトでいえば「Microsoft Azure」と「Microsoft 365」での端末管理やセキュリティ管理とも連携しやすいのはもちろん、「Windows 365」なども登場したことにより、クラウド上での運用や管理は格段に扱いやすくなっています。

    また各社クラウド環境に力を入れているため、他サービスとの連携も増えていていますので、以前のように、「必要なライセンスが提供されていない」や、「これが使えないから移行できない」ということも少なくなってきています。

    さらに現在、「Microsoft Azureへの移行」を支援するキャンペーンも行われています。サポート終了に伴うセキュリティリスク等の増大は困るが、システム連携やプログラムの兼ね合いでどうしてもバージョンアップできない、といったケースでは「Microsoft Azureへの移行」を計画することで、拡張セキュリティ更新プログラムの提供も3年間無償で行われます(※)ので、この機会にぜひ検討されてみてはいかがでしょうか?


    ※「拡張セキュリティ更新プログラム3年間無償延長」については
    5分で分かる橋川ミチノリの「Windows Server 2012/R2」・「SQL Server 2012」延長サポート終了コラム
    https://dx.si-jirei.jp/cloud-column-microsoft_azure-migration/
    も併せてご覧ください。


    「Microsoft Azure 移行」につきましては、提案・構築経験豊富なディーアイエスサービス&ソリューションまでお気軽にご相談ください。

    本コラムは2021年11月現在の情報を基に記載しています。


    mr iwahara

    著者プロフィール

    岩原 裕樹(いわはら ひろき)
    神奈川県出身。マイクロソフト クラウドサービス提案・販売のスペシャリスト。2000年入社、2001年当時注目を浴び始めていたセキュリティ拡販プロジェクトに参画。大手セキュリティベンダーとともにインターネット関連業界へのセキュアーなWebサービス環境の構築支援に従事。2019年に弊社「Microsoft Power Platform」を使った業務改革に着手。社内での活用アプリの企画、開発を主導。その経験に基づき多くのユーザ企業に対してセキュリティを含めDX推進に繋がるシステム導入実績を持つ。



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