「Juniper Mist AI」AIを活用したクラウド型無線LAN
目次
はじめに:出社する社員の増加により無線LANに関する問題も増加
新型コロナウイルスの感染状況が収まりを見せてきたことから、出社日を増やす企業が増加しています。しかし、オフィスに居る従業員が増加すると無線LANが繋がらない、遅い、といった問題が発生していませんでしょうか?
「Juniper Mist AI」は、アクセスポイント・スイッチ・ルーターをクラウドで総合管理し、運用・管理負担を軽減します。また、万が一トラブルが発生した際には時間とコストのロスを削減します。
「Juniper Mist AI」の優れた機能
「Juniper Mist AI」には、下記の優れた機能があります。運用・管理負担はもちろんのこと、無線LAN環境の最適化により従業員の業務効率低下を防ぎます。
無線リソース管理(RRM:Radio Resource Management)
AIが電波状況を学習し、自動的に最適なチャネルや電波強度に調整します。これにより、手動での調整は不要となります。しきい値に基づいた調整ではなく、統計データに基づいて調整しますので、より精度の高い設定を実現します。
後述のライセンス「1.Wi-Fi Assurance(SUB-MAN)」で利用可能
サービスレベル期待値(SLE:Service Level Expectation)
無線LANに接続するユーザーの快適度を7つの指標で総合的に可視化します。アクセスポイントの稼働状況だけではなく、ユーザーの快適度も表示できるため、管理担当者とユーザーの認識齟齬を防ぎ、トラブル発生時の解決がよりスムーズになります。
項 | 指標 | 内容 |
---|---|---|
1 | Time to Connect | アクセスポイントへの接続(アソシエート)開始から認証完了までの時間 |
2 | Throughput | 端末1 台の単位時間あたりのデータ転送量(スループット) |
3 | Successful Connect | 接続試行成功数 |
4 | Roaming | 2台のアクセスポイント間で接続を維持しながら自動的に接続先を変更するのにかかる時間(ローミング時間) |
5 | Coverage | アクセスポイントから電波が届く範囲(カバレージ) |
6 | Capacity | 1台のアクセスポイントに接続できる端末数の能力指標(キャパシティ) |
7 | AP Uptime | アクセスポイントの起動時間 |
後述のライセンス「1.Wi-Fi Assurance(SUB-MAN)」で利用可能
自動パケットキャプチャ(Dynamic Packet Capture)
実際のトラブル発生時にはログ情報が残っていない場合があります。その場合、管理者はエラーの原因推測・再現試験・特定を実施する必要があるため、トラブル解決までに長時間かかってしまうことがあります。「Juniper Mist AI」は、AIがエラーであると判断した瞬間に自動的にパケットキャプチャを取得するので、エラーの原因推測・再現試験・特定までの工数を大幅に削減し、迅速なトラブルシューティングを実現します。
スループットのスパイクなどネットワークイベント発生を自動でモニタリング
全てのエラーを自動的にパケットキャプチャ
エラー要因を自動解析
7日間、該当のパケットをダウンロード可能
後述のライセンス「1.Wi-Fi Assurance(SUB-MAN)」で利用可能
自然言語での問い合わせが可能なAI「Marvis」
人間が気づく前にクラウドAI「Marvis」がネットワーク全体に対して問題を検知して対応方法を提示します。
また、ネットワーク専門用語を使わない自然言語による問い合わせが可能で、例えば、“UnhappyUser”と入力すれば、接続状況の悪いユーザーを検索することができ、様々なエラー解決に役立ちます。
後述のライセンス「2.Virtual Network Assistant(SUB-VNA)」で利用可能
位置情報取得機能:仮想BLE(Bluetooth Low Energy)※
設定画面を操作するだけで、どこにでも・いくつでも仮想的にビーコン設置が可能です。ビーコンとは、アクセスポイントが定期的に発信している管理フレームの一種です。ビーコンにはアクセスポイント自身の情報が含まれており、ユーザーは近くのアクセスポイントが発信するビーコンを収集して最適なアクセスポイントを選択します。また、経路案内など特定の場所での的確な情報配信や混雑状況の把握にも利用できます(精度1-3m)。物理的にビーコンを配置する方式と比較して、ビーコンの電池交換や盗難・紛失・故障リスクがありません。
※BLEアンテナはJuniper アクセスポイントの特許技術です。
後述のライセンス「3.User Engagement(SUB-ENG)」、「4.Asset-Management(SUB-AST)」で利用可能
ファームウェア アップグレード
アクセスポイントのモデルを指定するだけで、手動でも自動でもお好きなタイミングでファームウェアアップデートができます。ネットワーク帯域の使用率を抑えるために、自動的に1台ずつアップグレードしていく設定も可能ですし、テスト済みのファームウェアに自動的にアップデートする設定もできます。
後述のライセンス「1.Wi-Fi Assurance(SUB-MAN)」で利用可能
6GHz帯を利用できる Wi-Fi 6E モデル
Wi-Fi 6E 対応モデルである、AP45-WW、AP34-WWは、2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯の3つの帯域を利用できます。高速/リアルタイム性の高い通信が必要な業務環境にぜひご利用ください。
項目 | Wi-Fi 5(802.11ac) | Wi-Fi 6(802.11ax) | Wi-Fi 6E(802.11ax) |
---|---|---|---|
2.4GHz帯 | ✕ (多くは11nで代替) | 〇 | 〇 |
5GHz帯 | 〇 | 〇 | 〇 |
6GHz帯 | ✕ | ✕ | 〇 |
最大通信速度 | 6.9Gbps | 9.6Gbps | 9.6Gbps |
省エネ性能 | ✕ | 〇 | 〇 |
同時接続 | ✕ (OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重) | 〇 (OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多重接続) | 〇 (OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多重接続) |
互換性 | 後方(下位)互換性あり | 後方(下位)互換性あり | 6GHZ帯は 後方(下位)互換性なし |
Wi-Fi 6E 対応モデルで利用可能
ゼロタッチプロビジョニング
ゼロタッチプロビジョニング(ZTP)対応のアクセスポイント、ルーター、スイッチで、下記の環境であれば、クラウド上から遠隔操作で設定・管理可能です。
ゼロタッチプロビジョニング対応機器で利用可能
- DHCPでIPアドレスを取得可能
- プロキシを経由しない
設置先現地でLANケーブルに接続するだけですので、
地方拠点やサテライトオフィスのネットワーク環境構築に便利です。
GUI設定・日本語マニュアル
設定作業は見やすいGUIで完了します。大規模かつ詳細な設定が必要な場合は、テンプレートを利用することで素早く設定作業ができます。また、日本語のマニュアルが用意されていますので初めて利用される方も安心してご利用いただけます。
後述のライセンス「1.Wi-Fi Assurance(SUB-MAN)」で利用可能
Mist AI アクセスポイント ラインアップ
型番 | AP45-WW | AP-34WW | AP-43WW | AP-33WW | AP-32WW | AP12-WW | AP-63WW |
---|---|---|---|---|---|---|---|
本体外観 | |||||||
展開先 | 屋内 | 屋内 | 屋内 | 屋内 | 屋内 | 屋内 (壁設置) | 屋外 |
Wi-Fi 規格 | 802.11ax (Wi-Fi 6E) 4×4 : 4SS | 802.11ax (Wi-Fi 6E) 2×2 : 2SS | 802.11ax (Wi-Fi 6) 4×4 : 4SS | 802.11ax (Wi-Fi 6) 5GHz:4×4 : 4SS 2.4Ghz:2×2 : 2SS | 802.11ax (Wi-Fi 6) 5GHz:4×4 : 4SS 2.4Ghz:2×2 : 2SS | 802.11ax (Wi-Fi 6) 2×2 : 2SS | 802.11ax (Wi-Fi 6) 4×4 : 4SS |
Wi-Fi Tri-Radio | 〇 (フォースラジオ) | 〇 (フォースラジオ) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
アンテナ オプション | 内部 | 内部 | 内部/外部 | 内部 | 内部/外部 | 内部 | 内部/外部 |
仮想 Bluetooth LE (vBLE) | 〇 | ー | 〇 | 〇 | ー | 〇 | 〇 |
IoT インター フェース | ー | ー | 〇 | ー | ー | ー | ー |
IoT センサー | 温度、加速度 | 温度 | 温度、湿度、気圧 | ー | ー | ー | 温度、湿度、気圧 |
利用帯域 | 2.4GHz, 5GHz, 6GHz | 2.4GHz, 5GHz, 6GHz | 2.4GHz, 5GHz | 2.4GHz, 5GHz | 2.4GHz, 5GHz | 2.4GHz, 5GHz | 2.4GHz, 5GHz |
インター フェース | Eth0:100/1000Base-T, 2.5/5G Base-T; PoE in Eth1:10/100/1000Base-T; PoE out | Eth0:100/1000Base-T, 2.5/5G Base-T; PoE in | Eth0:100/1000Base-T、2.5GBase-T(802.3bz)、RJ45、PoE PD Eth1:10/100/1000Base-T、RJ45、オプションの PoE PSE モード(Eth0 上に 802.3bt が必要) | Eth0:100/1000Base-T, 2.5GBase-T (802.3bz); RJ45; PoE 対応 Eth1:10/100/1000Base-T; RJ45 | Eth0:100/1000Base-T, 2.5GBase-T (802.3bz); RJ45; PoE 対応 Eth1:10/100/1000Base-T; RJ45 | Eth0:100/1000/2500/5000Base-T (802.3bz); RJ45; PoE 対応 | Eth0:100/1000/2500/5000Base-T (802.3bz); RJ45; PoE 対応 |
電源供給 | 802.3at/bt PoE | 802.3at/bt PoE | 802.3at/bt PoE、12 V/3A DC 電源 | 802.3at/bt PoE | 802.3at/bt PoE | 802.3at/bt PoE | 802.3at/bt PoE |
標準保証 | Limited Lifetime | Limited Lifetime | Limited Lifetime | Limited Lifetime | Limited Lifetime | Limited Lifetime | One Year |
Mist AI アクセスポイント ライセンス(Wi-Fi Assurance)について
Mist AI アクセスポイントのライセンスはサブスクリプション(更新型)です。下記より必要なサービス数と年数をご選択ください。
項 | ライセンス名 | 標準/オプション | 内容 |
---|---|---|---|
1 | Wi-Fi Assurance (SUB-MAN) | 標準 | 基本ライセンス(購入必須)。Wi-Fi 環境の可視化と自動パケットキャプチャや電波の自動調整など、アクセスポイントを利用するため基本機能を提供します。 |
2 | Virtual Network Assistant (SUB-VNA) | オプション | AIエンジン「Marvis」を利用できます。自然言語による問い合わせに対応し、解析の効率化をアシストします。 |
3 | User Engagement (SUB-ENG) | オプション | 位置情報取得機能「仮想BLE(Bluetooth Low Energy)」を利用できます。APIを公開していますので、SDKを使用したアプリ開発も可能です。 |
4 | Asset-Management (SUB-AST) | オプション | 基本機能は「User Engagement」と同じですが、リソース管理のために事前にタグ(パソコンに貼り付けたり、ネックストラップから提げたりして利用)を配布できる場合はこちらがおすすめです。端末や従業員の位置情報を可視化できます。 |
5 | Premium Analytics (SUB-PMA) | オプション | お客様のご要望に応じて、ネットワーク全体の可視化、1年間のログ保存、3rd Partyと連携した解析結果の提供を可能にします。30日間の無料提供モデルもあります。 |
年/サービス 数 | 1サービス | 2サービス | 5サービス |
---|---|---|---|
1年 | SUB-1S-1Y | SUB-2S-1Y | SUB-AI-1Y |
3年 | SUB-1S-3Y | SUB-2S-3Y | SUB-AI-3Y |
5年 | SUB-1S-5Y | SUB-2S-5Y | SUB-AI-5Y |
- 例1.Wi-Fi とMarvis AI(合計2サービス)を5年間利用したい。
→SUB-2S-5Y - 例2.全ての機能(合計5サービス)を1年間利用したい。
→SUB-AI-1Y
Mist AI アクセスポイント 購入方法
ステップ | 選定項目 | 内容 |
---|---|---|
1 | アクセスポイント本体 | ・用途(屋内/外、vBLE・IoTセンサー有無など)に合わせてアクセスポイント本体を選定 |
2 | サブスクリプション(ライセンス):サービス数・期間 | ・Wi-Fi Assurance(SUB-MAN)、Virtual Network Assistant(SUB-VNA)、User Engagement(SUB-ENG)、 Asset-Management(SUB-AST)、Premium Analytics(SUB-PMA)からサービス数を選択(1サービス必須) ・期間は1年・3年・5年から選択 |
3 | オプションパーツ | ・設置先の環境とアクセスポイントに合わせてブラケット(標準ブラケットは同梱)、PoEスイッチ、PoEインジェクター、電源ケーブルを別途選択 |
AIを活用したクラウド管理型無線ネットワーク「Juniper Mist AI」につきましてはディーアイエスサービス&ソリューションまでお気軽にお問い合わせください。