DXコラム

strategic column freshworks freshdesk 2 cover

「社内問い合わせ対応の課題と業務効率化のためのポイント6つを解説」前田剛志の問い合わせ業務の効率化に向けて Freshdesk解説コラム 第2回(全4回)

Print Friendly, PDF & Email
strategic column freshworks freshdesk 2 cover

はじめに

PCやITシステムに関する質問を受けるヘルプデスクをはじめ、社内問い合わせ業務は予想外に対応に時間がとられがちです。問い合わせに追われてコア業務が行えないというケースもある一方、対応の質がスタッフによりばらつきがあると、問い合わせをしてきた社員から不満が出る可能性も考えられます。

そこで本記事では、社内対応業務を効率化させ、対応の質を向上させるための方法や、効率化実現の手順などについて解説します。


社内問い合わせ業務でよく発生する課題とは?

社内問い合わせ業務には、人事や総務、経理などに関する問い合わせに対応するものや、社内のITシステムに答えるヘルプデスク業務などがあります。人事であれば「給与振り込みに関する口座の設定」や「休職、退職に関する手続き」などの質問もあるでしょう。ITシステムに関する問い合わせでは、デバイスの基本的な操作方法からトラブルに関することまで多岐にわたります。
そのような社内問い合わせ業務では、下記のような課題がよく発生します。

  • 質問内容が多岐にわたり、すべてに的確な回答ができない
  • 回答に時間がかかってしまう
  • 担当者により回答の内容にばらつきがある
  • 問い合わせ対応に時間がかかり、ほかの業務がおろそかになってしまう
  • 属人的になり、担当者が休みを取ってしまうと問い合わせ対応が十分にできなくなってしまう
  • 対応する社員が十分に確保できない

問い合わせ業務に問題があると、問い合わせをした側の業務も進まなくなり、会社全体の損失につながる場合もあるため、いかに効率良く問い合わせ対応ができるか、考えていく必要があります。


社内問い合わせ対応業務を効率化する方法6つ

社内問い合わせ対応業務を効率化するには、質問をしてくる問い合わせ者と、対応を行う回答者の、双方にとって便利な状況を作る必要があります。問い合わせ者向けと回答者向けに分け、3つずつ紹介します。

問い合わせ者向け

1.問い合わせ者向けのポータルサイトを利用してもらう

社内ポータルサイトを作成して、そちらを利用してもらうようにします。社員が効率良く検索できるように、業務ごとに分けて情報を掲載することが重要です。ポータルサイトには、複数のグループでコミュニケーションが図れる機能や、人事や経理に関する申請機能、スケジュール管理機能なども備え付けておくことをおすすめします。

2.社内FAQページを設ける

問い合わせポータルサイトにFAQページを設けることで、問い合わせの数を減らすことができます。よくある質問と回答を掲載しておけば、社員はあらためて問い合わせをせずとも、望んだ回答を得られるでしょう。「FAQで回答が見つからない場合のみお問い合わせください」と伝えておけば、問い合わせの数も少なくて済むでしょう。

3.チャットボットの活用

チャットボットならば、問い合わせ者はいつでも好きなときに質問への回答が得られます。チャットボットとはチャット(会話)とロボットを掛け合わせた造語で、自動的に会話をしてくれるシステムです。AIを搭載した人工知能型もあり、よくある質問であればシステムが回答してくれるので、オペレーターにわざわざ問い合わせる必要がありません。

回答者向け

1.マニュアルの作成と徹底

回答者の質を均一化するためには、マニュアルを導入するとよいでしょう。システムの使い方や申請方法などの手順を分かりやすく記載しておくことで、回答に困ることなく速やかに対応できます。マニュアルは作成しただけで終わりにするのではなく、研修でスタッフへの周知も必要です。また、作成しただけでなく、更新していくことでナレッジが蓄積します。

2.返信用テンプレートの作成

問い合わせが多いと想定される内容については、返信用テンプレートを作成しておくことで、対応にかかる時間を短縮できます。

3.問い合わせ内容の一元管理

問い合わせを一元管理することで、業務の効率化につながります。問い合わせを受ける経路には電話や社内メール、チャットなどがありますが、問い合わせのチャネルが多岐にわたると「いつ」「どのような質問が」「どこのチャネルを通じて」など混乱してしまう場合があります。その際、専用のシステムなどを使い、各チャネルから入った情報を一元化すれば混乱が解消され、スムーズな問い合わせ対応が可能です。

strategic column freshworks freshdesk 2

社内問い合わせ対応業務を効率化するには

社内問い合わせ対応業務を効率化させるために行いたい施策のポイントや、効率化させる流れについて解説します。

社内問い合わせ対応業務を効率化するポイント

効率化を実現するには、いくつかのポイントがあります。

  • 質問者と回答者のやりやすさを重視する
  • 問い合わせ管理システムの導入
  • ナレッジを蓄積していく

社内問い合わせの業務についてもっとも考えるべきは、質問者と回答者がやりやすいと感じるかどうかです。質問者と回答者がやりやすいと感じていれば、社内問い合わせにかかる時間は短縮されやすくなります。

  • 問い合わせ管理システムの導入

問い合わせ内容が多岐 にわたり、質問者も回答者もやりづらいと感じているならば、問い合わせ管理システムの導入をおすすめします。問い合わせ管理システムであれば、スタッフ間での情報共有が容易になり、スムーズな対応ができるようになります(詳しくは下で紹介します)。また、システムで可視化された問い合わせ内容はナレッジとして蓄積しておけば、後々、FAQなども作成するときに役立ちます。

社内問い合わせ対応業務を効率化する手順

社内問い合わせ対応業務の効率化は、どのような手順で進めれば良いのでしょうか。

  1. 社員へのヒアリングからスタートする
  2. 課題を分析する
  3. 効率化の方針を決定し、必要に応じてツールなどを選定
  4. マニュアルの作成
  5. スタッフへの研修を実施
  6. 実施

それぞれのフローについて、下記で解説していきます。

1.社員へのアンケート・ヒアリング

実際に効率化への施策を考える前に、社内でアンケートを取ったりヒアリングをしたりして、問題点を洗い出すことから始めます。ヒアリングは問い合わせ者と回答者、双方に行いましょう。問題点が分かることで、何を改善すべきか「ゴール」が見えてきます。

2.課題を分析

集めた声をもとに課題を分析していきます。すると、例えば次のような課題が出てくるかもしれません。

問い合わせ者

  • 回答までに時間がかかる
  • 回答の質にばらつきがある

回答者

  • 電話やメール、Webなど問い合わせチャネルが多すぎる
  • リソースが足りていない
  • マニュアルが統一できていない

これらがなぜ起きているのか、原因を分析しましょう。原因が分かることで対処の方法が見えてきます。

3.効率化の方針を決定

課題の分析ができたら、解決の方法と効率化の方針を決定します。問い合わせ業務に役立つツールやシステムがあるので、比較検討して導入するのもおすすめです。
なお、問い合わせ用の業務ツールを導入 すると、下記のようなことが可能です。

  • Webポータルサイトの作成ができる。FAQを作成し公開できる
  • チャットボット機能を使い、質問者はいつでも好きなときに問い合わせができる
  • 質問と回答が可視化された上で、スタッフ間で情報が共有できるため、回答の質を均一化させられる
  • 返信用テンプレート機能を使い、素早く質問者に返信ができる
  • Webポータルサイトや電話、メール、SNSなどからの問い合わせを一元化し、メンバー全員が同じ画面で情報が共有できるようになる。問い合わせのステータスも常にチェックができ対応漏れを防げる

ただし、採用するツールによりできることは変わってくるので、よく比較検討してみてください。また、導入後に効率良くシステムを活用できるように、スタッフへの研修も行いましょう。

4.効率化の方針を決定

システムや各種申請方法への回答の仕方について、マニュアルがすでにある場合には、内容が現状に則しているかについて確認する必要があります。特に、社内で使用しているシステムやツールなどは次々と新しいものへと更新されていくため、それに伴ってマニュアルも更新することが大切です。
マニュアルがない場合には、過去の問い合わせ対応業務をよく振り返り、それに基づいて作成しましょう。紙で作成する場合にもパソコンのソフトを使って作成する場合にも、簡単に必要なページを開けるような検索・目次などの機能を付けるのを忘れないようにしましょう。

5.スタッフへの研修

新しく作成したマニュアルやシステムについて、スタッフへ情報の周知、研修を行います。座学やロールプレイングなどでの研修を行うことで、スタッフのスキルを可能な限り均一化させることができ、問い合わせに対して常に的確な回答ができるようになります。
また、問い合わせ者に対してはFAQやチャットボットの使い方について、社内で周知することが重要です。

6.実施

マニュアルの作成や研修の実施、システムの構築は、一度行ったら終わりではなく、実施後もPDCAサイクルにのっとって評価と改善を行うことが大切です。社内のシステムも社内の状況も常に変化していきますし、実際に問合せ対応業務をしていくなかで、マニュアル作成時には気づかなかった点も見えてきます。
ナレッジを蓄積しつつ、常により良い対応業務ができるように改善を行うようにしてみましょう。


社内問い合わせ対応業務の課題を解決するには、業務の効率化が必要

ITシステムや人事、経理などへの問い合わせに対応する業務については、人材不足のせいで十分な回答ができていない場合があります。問い合わせ対応業務が十分に機能していないと、会社全体の業務効率が下がってしまうかもしれません。そこで、マニュアルの作成やシステムを使った業務効率化が求められます。
「Freshdesk」は、電話やメールなど、さまざまなチャネルを通じて届いた問い合わせ内容を一元化し、スタッフ間で情報が共有できるようにすることで、チームでの効率の良い問い合わせ対応業務を実現します。社内問い合わせ対応業務でお悩みの方は、ぜひディーアイエスサービス&ソリューションにご相談ください。

本コラムは2023年9月現在の情報を基に作成しています。

Mr Maeda

ディーアイエスサービス&ソリューション株式会社
営業統括課 課長代理 Freshdesk 担当 前田 剛志

筆者プロフィール

大阪府出身。2000年入社。インサイドセールスとして営業業務に従事したのち、弊社が構築したシステム(サーバやネットワーク等)の保守・運用サービスの提案・導入を担当。インシデント管理の重要性を認識し、社内インシデント管理システム導入時には主導的役割を担った。現在は、各種マネージドサービスの提供により、情報システム管理者の負担軽減を実現するサービスの提案活動に従事している。保守・運用サポートのスペシャリストとして、過去の経験を活かした運用者目線でのヘルプデスクツールの提案・導入に定評がある。


「Freshdesk」導入事例


「Freshdesk」製品情報、関連コラム


その他 「Freshworks」製品情報

関連記事一覧