【セミナーレポート】データ資産保護を両立！「Copilot for Microsoft 365」＆「Microsoft Purview」解説
目次
2024年8月9日、生成AIツール「Copilot for Microsoft 365」の活用方法と、それに伴って発生し得る情報漏洩などのセキュリティリスクを「Microsoft Purview」で解決する方法について解説するオンラインセミナーを開催しました。本記事はセミナーレポートです。本セミナーの動画配信はいたしませんので、製品・サービスについてより詳しい説明をお聞きになりたい方はお気軽にお問い合わせください。
【第１セッション】
次世代ビジネスツールとしての「Copilot for Microsoft 365」の
使い方とセキュリティリスクについて
株式会社ユニックシステムズ
代表取締役社長 中村邦久氏
「あらゆる製品に機能を一変さえせるようなAIを搭載していく」というMicrosoft社からの発表の通り、既にさまざまな製品にAI機能が実装されています。例えば、皆さまご存じの生成AI「ChatGPT」の機能を「Microsoft Azure」上で安全に利用できるようにする「Azure OpenAI」や、開発業務の効率を向上させる「GitHub Copilot」などがあります。
本日のセミナーでは「Copilot for Microsoft 365」についてご説明いたします。「Copilot for Microsoft 365」は、皆さまが普段利用されている、Outlook、Excel、Word、PowerPoint、Teams、OneNote などの各アプリケーションと、それらのデータが蓄積されている「Microsoft Graph」にアクセスし、さらに「大規模言語モデル（LLM）を用いたAI」にてコンテンツを生成します。また、併せてセキュリティ、コンプライアンス、プライバシー保護も担保します。
| 個人向け Copilot （旧 Bing Chat） | 商用データ保護 Copilot （旧 Bing Chat Enterprise） | Copilot for Microsoft 365 （旧 Microsoft 365 Chat） | |
|---|---|---|---|
| GPT大規模言語モデル | 〇 | 〇 | 〇 |
| AIによるWeb検索、回答、コンテンツ生成 | 〇 | 〇 | 〇 |
| ビジネスデータ保護 | － | 〇 | 〇 |
| Microsoft 365 で設定したセキュリティ、コンプライアンス、プライバシーポリシー順守 | － | － | 〇 |
| Microsoft 365 Graph（Content & Context） | － | － | 〇 |
| Microsoft 365 Apps （Office アプリケーションへの統合） | － | － | 〇 |
前述の通り、「Copilot for Microsoft 365」は、「Microsoft 365」のデータを活用しますので、各アプリケーションを活用し、SharePoint と OneDrive にデータを保存して、Teams を活用することでデータを学習しユーザーがより使いやすくなっていきます。クラウドにデータを預けることでデータ消滅リスクなど不安に思われる方は、第2セッションでご紹介します「HYCU R-Cloud SaaS for M365」をご検討ください。
「Copilot for Microsoft 365」による生産性向上の具体例
「Copilot for Microsoft 365」の活用例をご紹介していきますが、基本的には「プロンプト」と呼ばれる「AIに対する指示」を入力していくだけで実行できます。もし指示内容が思いつかない場合でも、プロンプトの案が提示されますので大丈夫です。Word 文章の要約、PowerPoint から Word への文章起こし、Outlook 英文メールの和訳および要約や本文の下書き、文章からの画像生成などができることは皆さまもご存じかと思います。皆さまにあまり馴染みがないと思われる活用例を挙げます。
Microsoft Whiteboard
付箋を使ったブレインストーミング会議をデジタルに実施できるツールです。Copilotに付箋の案を出させたり、付箋を分類させたりできます。
会議の要約
Teams 会議の内容を要約できますので、途中参加/不参加の方のキャッチアップや議事録作成に便利です。
※ここまでのセミナー内容を実際に要約させています。
Webページの要約（※）
Edge で閲覧しているWebページの要約を生成、文章量の調整もできますので読み手の能力に応じた要約が作成できます。※本サイト「Cisco XDR」のページ内容を実際に要約させています。
※こちらの機能は厳密には「Microsoft Copilot」の機能です。
動画のハイライト（※）
YouTube動画のチャプターを生成、タイムスタンプも生成されますのですぐにそのシーンにジャンプできます。※公式YouTubeチャンネル「クラウドベースのITIL4準拠ITサービス管理（ITSM）『Freshservice』とは？」を要約させています。
※こちらの機能は厳密には「Microsoft Copilot」の機能です。
その他にも、定期的な会議や営業業務など、「Copilot for Microsoft 365」を活用すれば業務効率化を実現できます。
「Copilot for Microsoft 365」のセキュリティとコンプライアンス
「Copilot for Microsoft 365」は、アクセス権さえあれば社内のあらゆるファイルや領域からデータを探してきます。そこで、「Microsoft Purview」の「Information Protection」を利用して、アクセス制限が必要なデータを区別して保護することが重要です。データに「秘密度ラベル」を付けることにより、アクセス権の設定ができます。また、この「秘密度ラベル」は、データがコピーされたり転送されたりしても継承されますので、コンプライアンスに反する行為に対してアラートを発したり、「Microsoft Endpoint DLP（データ損失防止）」を用いて利用が許可されていない他の生成AIサービスの利用制限をしたりできます。最後に、「生成AIは人から仕事を奪ってしまうのか？」ということについてですが、それは否だと思います。正しくは、
生成AIを
- 活用できる人が、活用できない人 から
- 活用できる組織が、活用できない組織 から
仕事を奪うでしょう。
労働人口の減少に伴う人材不足により、今後はこれまで以上に労働生産性を求められるようになります。約2時間分の人件費（※）で優秀な助手が様々な業務を1か月支援してくれ、それにより創出された時間で新たな企画を創出したり、ワークライフバランスの充実に充てたりできます。
※手取り金額ではなく、総支給額・社会保険などを考慮した金額での概算にて算出、詳しくは【第2セッション】
ただし、「Copilot」はまだ生まれたばかりのサービスで、言わば新人です。的確な指示を出さなければ回答してくれませんし、自信満々に間違える（嘘をつく）可能性もあります。しかし、正しくデータを与えれば与えるほど成長していきますし、ユーザーも的確に指示を与えて間違いが無いか確認をしていくことにより共に成長することができます。「Copilot for Microsoft 365」につきましては、ディーアイエスサービス&ソリューションまでお気軽にご相談ください。
【第2セッション】
「Copilot for Microsoft 365 データ保護設定サービス」、
「Microsoft 365 バックアップサービス」のご紹介
ディーアイエスサービス＆ソリューション株式会社 ソリューション本部 東京営業部 営業４課 係長 柴田英昭
【第1セッション】の復習になりますが、「Copilot for Microsoft 365」は、1ユーザーあたり ￥53,964.-/年（年契約払い※）、月額換算 約￥4,500.-/月 と、約2時間分の人件費で優秀な助手を1か月間雇うことができます。
※2024年8月現在の価格
しかし、「Copilot for Microsoft 365」は、「Microsoft 365」のテナント内に保存されたデータを利用しますので、
データの
- アクセス権設定
- バックアップ
が大切です。
また、「Copilot for Microsoft 365」自体は、機密情報かどうかの判断はしませんので「Microsoft Purview」の「秘密度ラベル」などを活用した設定をしなければ情報漏洩につながってしまう可能性があります。そこで、ディーアイエスサービス＆ソリューションの「Copilot for Microsoft 365 データ保護設定サービス」をご用意しています。
Copilot for Microsoft 365 データ保護設定サービス
「Copilot for Microsoft 365 データ保護設定サービス」は、お客様のご要望をヒアリングして設計、初期セットアップ、セキュリティの設定までを実施するサービスです。「Microsoft Purview」に馴染みの薄い方でも安心して導入していただけますので、どうぞご利用ください（詳細はコチラ）。
| 設定項目/段階 | 内容 |
|---|---|
| 設定前 | 要件ヒアリングと設計 ※2 |
| 秘密度ラベル/ラベルポリシー | 秘密度ラベル（3つまで） |
| ラベルポリシー（1つまで） | |
| Copilot | Copilot 初期セットアップ |
| アイテム保持ポリシー | アイテム保持ポリシー（1つまで） |
| 監査ログ | 監査ログ機能の有効化 |
| 電子情報開示/コンテンツ検索 | 電子情報開示管理者のロール割り当て |
| 設定後 | 環境引継ぎ：1~2時間（1回のみ、参加者数名まで、ビデオ録画可） ※3 |
| 納品物：詳細設計書 （パラメータシートのとりまとめ）、作業完了報告書 | |
| メールサポート：完成図書提出後2週間、専用フォームからメールによる構築範囲についてのサポートを提供 ※4 |
※1 本サービス以外の追加要件（サービスやドキュメントの追加）につきましてはご対応致しかねます。
※2 弊社規定のヒアリングシートとパラメータシートに基づきヒアリングと設定を行います。
※3 ビデオ録画ご希望場合は録画可能なWebミーティング環境をお客様にご準備いただく必要があります（録画不要な場合は弊社にてWebミーティング環境を提供します。
※4 メールサポート終了後は「Microsoft CSP サポートセンター」をご活用ください。
Microsoft 365 バックアップサービス「HYCU R-Cloud SaaS for M365」
「Microsoft 365」は確かに可用性が高く優れたビジネスツールですが、「データ管理は利用ユーザーの責任範囲である」という規約になっています。そのため、
- データを誤って削除してしまい、気づいた時には保持期間も終了していた
- SharePoint のデータがランサムウェアの被害を受けて開けなくなった
という事態が発生する可能性があります。これらを防ぐために、Microsoft 365のバックアップ「HYCU R-Cloud SaaS for M365」を是非ご検討ください。
「HYCU R-Cloud SaaS for M365」は、
- 設計/構築が一切不要、ただ使うだけでOK
- バックアップジョブは全て自動
- データの改ざん防止、ファイルの世代管理
- 高速かつ高度な詳細検索でデータの取り出しも用意
- 日本語GUI
を特長とする、シンプルなバックアップ・アーカイブ・コンプライアンス機能を提供するクラウドサービスです。
Microsoft 365 1アカウントにつき1ライセンス ￥8,640.- / 1年 （税別、2024年8月現在の価格）が必要になります。日本語対応のオリジナルサポート窓口、14日間の無償トライアル もご用意していますので、お気軽にお問い合わせください。「HYCU R-Cloud SaaS for M365」につきましては、下記ページも併せてご覧ください。
https://dx.si-jirei.jp/cloud-product-hycu-protege-for-o365/
「HYCU R-Cloud SaaS for M365」導入事例：日本エヌ・ユー・エス株式会社のご紹介
最後に導入事例をご紹介します。原子力に関するコンサルティング業・エンジニアリングサービスを展開されている日本エヌ・ユー・エス株式会社では、コロナ禍によるテレワークの開始に伴い、オンプレミス環境からクラウドの「SharePoint Online」をプロジェクトデータの保存先に変更しました。
- 基本的にプロジェクトデータは削除せず半永久的にデータを保存する必要があった
- クラウドにおけるデータ保証リスクを懸念
- 年間約4TBずつ「SharePoint Online」のデータが増加
という背景から、「Microsoft 365」のバックアップツールを検討され、ディーアイエスサービス＆ソリューションからの提案により、「HYCU R-Cloud SaaS for M365」を導入いただきました。選定いただいた理由は、
- シンプル（ユーザーライセンス）かつ安価な価格体系
- Teams のデータ構造のまま可能なバックアップ
- プロジェクト単位・フォルダ単位でダウンロード可能なバックアップデータ
- 運用負荷のかからない分かりやすい管理画面＆自動バックアップ機能
です。事例の取材記事全文につきましては、右記リンク先よりPDFをダウンロードしてご覧ください。
「Copilot for Microsoft 365 データ保護設定サービス」、「HYCU R-Cloud SaaS for M365」につきましては、ディーアイエスサービス&ソリューションまでお気軽にお問い合わせください。
